コラム
創業者必見!特定創業支援の全て
特定創業支援を利用することは、創業者にとって大きなメリットがありますが、一方で注意が必要な点もあります。以下に、融資の側面と持続化補助金申請時における特定創業支援の
メリット・デメリットを整理しました。
まず特定創業支援とは何か説明します、
地方自治体や商工会議所などが提供する創業支援プログラムの一環で、これから起業を考えている方や創業間もない中小企業に対し、経営の基礎知識やスキルを習得させるための支援です。具体的には、以下のような分野での支援が提供されます
特定創業支援の概要
1. 提供される支援内容
- 経営に関する支援:
- 事業計画の立て方、経営戦略の策定、収益モデルの構築など、経営に必要な基本知識を提供します。
- 財務に関する支援:
- 資金調達の方法、資金繰り、コスト管理、利益計画など、企業経営において重要な財務管理のスキルを学ぶことができます。
- 販路開拓に関する支援:
- 市場調査、ターゲット顧客の選定、マーケティング戦略の立案、営業手法の改善など、販売戦略の強化に関するサポートを提供します。
- 労務管理に関する支援:
- 雇用契約の作成、労務管理の基本、従業員の育成・管理、労働法規の理解など、人材に関する基礎知識を習得できます。
2. 支援を受けるための条件
- 支援対象者:
- 原則として、これから創業を目指す方や、創業から5年未満の中小企業・個人事業主が対象です。
- 支援を受けるための要件:
- 地方自治体や商工会議所が指定する特定のプログラムを受講し、所定の期間にわたり講義やワークショップなどに参加する必要があります。これらを完了すると、特定創業支援を受けた証明書が発行されます。主催自治体によりオンラインやセミナー受講など要件が異なります。 詳しくは最寄りの事務局にお問い合わせください。
3. 特定創業支援を受けるメリット
- 税制優遇措置:
- 特定創業支援を受けた創業者は、会社設立時の登録免許税が軽減される措置が受けられる場合があります(通常、資本金の0.7%が必要ですが、0.35%に軽減されます)。
- 融資・保証の優遇:
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度において、自己資金要件の緩和や無担保・無保証での融資が受けやすくなります。また、信用保証協会の保証料の減免も可能です。
- 補助金申請時の支援:
- 特定創業支援を受けたことで得た知識やスキルは、補助金申請時に質の高い事業計画書を作成するのに役立ち、審査で高評価を得る可能性が高まります。なお持続化補助金では特別枠の創業枠を申請できるようになります。
4. 融資の側面でのメリット
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度の優遇措置:
- 特定創業支援を受けることで、通常必要とされる「創業資金の10%以上の自己資金」要件が免除される可能性があります。これにより、自己資金が少なくても融資を受けやすくなります。
- 無担保・無保証人での融資が可能になるケースもあり、創業初期の資金調達のハードルが下がります。
- 信用保証協会の保証料減免:
- 特定創業支援を受けることで、信用保証協会の保証料が一部減免される場合があります。これにより、融資コストを抑えることができ、資金繰りが楽になります。
5. 持続化補助金申請におけるメリット
- 申請書の作成支援と質の向上:
- 特定創業支援を通じて得た経営や財務に関する知識やスキルは、持続化補助金の申請書作成に大きなプラスとなります。事業計画書の質を高めることができ、採択される可能性が向上します。
- 創業枠の申請が可能になります:
- 通常枠は補助上限が50万円になりますが創業枠ですと補助上限金額が200万円と通常枠の4倍まで上限が引きあがります。
特定創業支援を利用するデメリット
1. 融資の側面でのデメリット
- 手続きや研修に時間がかかる:
- 特定創業支援を受けるためには、一定の時間をかけて研修やセミナーを受講する必要があります。創業準備中の忙しい時期に時間を割くことが難しい場合があるため、スケジュール管理が必要です。
- 融資の確実性は保証されない:
- 特定創業支援を受けても、融資が必ず承認されるわけではありません。融資審査では、事業計画の内容や実現可能性など、総合的な判断が行われます。
2. 持続化補助金申請におけるデメリット
- 直接的な加点要素ではない:
- 特定創業支援を受けたこと自体が持続化補助金の審査で加点されるわけではありません。ただし、質の高い事業計画書の作成につながるため、間接的なメリットがあります。
- 競争が激しい:
- 持続化補助金は競争率が高く、特定創業支援を受けたことが必ずしも採択につながるわけではありません。申請内容の質や企業の財務状態が決定的な要因となります。
結論
特定創業支援は、創業者にとって非常に有益な支援ですが、それを受けることで持続化補助金の採択だったり融資が確実になるわけではありません。しかし、経営力の向上や事業計画のブラッシュアップに大いに役立つため、結果的に補助金申請の成功確率を高める要素となります。これらの点を理解した上で、特定創業支援を活用し、最大限の成果を上げることを目指しましょう。
特定創業支援を受けるための具体的な手順は以下の通りです。これらのステップを順番に進めることで、特定創業支援を受けることができます。
特定創業支援を受けるための具体的な手順
1. 自治体や商工会議所への問い合わせ・情報収集
- まず、自分が住んでいる地域や創業を予定している地域の自治体や商工会議所に問い合わせを行い、特定創業支援に関する情報を収集します。
- 自治体や商工会議所のウェブサイトにアクセスし、特定創業支援に関する案内ページを確認します。支援プログラムの内容や開催スケジュール、申し込み方法などが記載されています。
2. 支援プログラムへの申し込み
- 支援を受けるためには、自治体や商工会議所が提供する特定創業支援プログラムに申し込みを行います。
- 申し込み方法は、ウェブサイトからのオンライン申し込み、窓口での直接申し込み、または郵送による申し込みなど、自治体によって異なります。詳細は、各自治体や商工会議所の案内に従います。
3. プログラムの受講
- 申し込みが完了すると、指定されたプログラムを受講することになります。プログラムは以下のような内容で構成されています。
- 経営に関する講義:事業計画の策定方法や経営戦略に関する講義。
- 財務に関する講義:資金管理や収益計画、資金調達方法についての講義。
- 販路開拓に関する講義:マーケティング戦略や顧客開拓に関する講義。
- 労務管理に関する講義:従業員の雇用管理や法令遵守に関する講義。
- プログラムの受講期間や内容は自治体によって異なりますが、通常は数週間から数ヶ月程度の期間をかけて行われます。
4. 受講後のフォローアップ
- プログラム受講後、自治体や商工会議所からのフォローアップが行われる場合があります。これには、受講者のビジネスプランに対する個別相談や、ビジネスの進捗に応じた追加支援が含まれることがあります。
5. 特定創業支援の証明書発行
- プログラムを修了すると、自治体や商工会議所から「特定創業支援を受けた証明書」が発行されます。この証明書は、税制優遇措置を受ける際や、融資を申し込む際に提出する必要があります。
- 証明書の発行を受けるためには、自治体に対して所定の申請手続きを行う必要がある場合があります。具体的な手続きは、自治体や商工会議所の案内に従って進めてください。
6. 証明書の活用
- 発行された証明書を活用し、融資の申し込みや税制優遇の手続きを進めます。特定創業支援を受けた証明書があることで、各種の支援や優遇措置を受ける際に有利になります。
証明書発行にかかる期間
- プログラム修了後の申請手続き
- 特定創業支援プログラムを修了した後、証明書の発行を申請します。この申請手続き自体は、早ければ数日以内に行うことが可能です。
- 証明書発行の審査期間
- 証明書発行までにかかる期間は、自治体や商工会議所によって異なりますが、一般的には申請から1週間から2週間程度かかることが多いです。
- ただし、忙しい時期や申請者が多い場合には、さらに時間がかかることがあります。
- 証明書の受け取り
- 証明書は郵送で送付される場合もあれば、窓口で直接受け取ることができる場合もあります。受け取り方法によっても、多少の時間差が生じることがあります。
結論
特定創業支援の証明書発行には、申請から受け取りまでに通常1〜2週間程度かかります。ただし、これは目安であり、自治体や商工会議所の対応状況によって前後することがあります。特定のスケジュールがある場合は、早めに申請を行い、必要に応じて自治体や商工会議所に確認することをお勧めします。
コラムの著者
認定支援機関 株式会社アドベンチャーワン 代表取締役。補助金申請と融資の活用に精通したコンサルタント。主に小規模の~中規模企業の資金調達を支援し数多くの成功事例を持ちます。迅速かつ正確な申請手続きと、効果的な資金活用のアドバイスを提供します。補助金を最大限に活用したい企業にとって、頼れるパートナー。
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