ランチェスター戦略とは?どんな戦略なのかを解説します

 

日本の社会を支えている会社の9割以上が中小企業で成り立っており、ビジネスにおいての競争で大企業と戦っていかなければなりませんが、正面から向かっていっても厳しいでしょう。中小企業が大企業に勝つために用いるのが「ランチェスター戦略」なのです。

今回は、ランチェスター戦略について解説していきます。

ランチェスター戦略とは

戦力に勝る「強者」と戦力の劣る「弱者」に分け、それぞれがどのように戦えば戦局を有利に運べるのかを考えるための戦略論のことです。「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」という前提をもとにした「強者の戦略」と「弱者の戦略」に分けられます。もともとは第一次世界大戦での航空戦から生まれましたが、現代では実践的なマーケティング理論として活用されています。

ランチェスターの法則とは、1914年の第一次世界大戦を機に、イギリスのフレデリック・W・ランチェスター氏が航空機による空中戦の損害状況を研究し始めたことで生まれました。ここで述べられているのは、「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」ということです。

そして、これを元にアメリカのコロンビア大学の数学教授、バーナード・クープマン達によって軍事戦略モデルに改良されました。戦後にコンサルタントである田岡信夫がビジネスに応用して販売戦略として展開を始めます。その後、高度成長期以降により実践的なマーケティング理論として活用されています。

ランチェスター戦略解説

ランチェスターの法則は、第一法則「弱者の戦略」、第二法則「強者の法則」の2つに大きく分かれます。

第一法則「弱者の戦略」は、一騎打ちを前提したものになります。

例として、同じ武器を持ったA軍5名とB軍3名が戦った場合、最終的にA・B軍共に損害は同じで、A軍2名が残り勝ちになります。数に劣るB軍が負けているのに弱者の法則と呼ばれている理由は後に説明します。

次に第二法則「強者の法則」は、一騎打ちではなく、近代兵器による遠隔戦闘やより広範な戦いを想定されており、この場合の攻撃力は兵力の二乗になります。

上記の例に合わせて考えると、A軍5名、B軍3名が戦った場合、A軍の戦力は5²(25)、B軍の戦力は3²(9)になり、5²-3²=4²になります。つまり、この第二法則で考えると、A軍は4名も生き残ることが出来るのです。

この二つの法則から、数に勝るA軍は、一騎打ちや・近接選を避け、広範戦・遠隔戦を行った方が、損害が少なく済むという結果になります。

第二法則が強者の法則と言われ、弱者は第二法則のような事態にならないように接近戦を行うべきというのが弱者の戦略と言われる理由です。

2つの法則に共通しているのは、「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」ということです。

では、数で劣る中小企業は大企業に勝てないのでしょうか。

強者=大企業ではなく、ランチェスターの言う強者とは「マーケットシェア1位の企業」と定義されています。

マーケットシェア理論

マーケットシェア理論は、市場の地位はマーケットシェア(市場占有率、占拠率)で判断するというものです。マーケティングコンサルタントの田岡信夫によって具体的な数字が設定されました。

これによると、業界内で自社のシェア率がどのくらいなのかを7段階に分かれ、それぞれに合った戦略を考えていくと、実践的な経営プランが生み出せます。

 7つのシンボル目標数値で自社の立ち位置を判断し、この判断を元に現状を把握し、目標の設定を行います。

【上限目標値73.9%】

73.9%の場合独占的となります。100%ではなくとも、その地位は絶対的に安全・安泰となり、よほどのことがない限り2位以下に逆転されることはありません。

なぜ100%じゃないのかというと1社で独占してしまうと安全性・成長性・収益性が安定しなくなります。

【安定目標値41.7%】

41.7%の場合は地位が安定します。ランチェスター戦略では、40%以上を超えれば、4社以上の集団競争の為、地位が圧倒的に有利となり、安定します。

この数値は、2位以下を大きく引き離している状態の為、首位独走の条件として多くの大企業が目標の数値としています。

【下限目標値26.1%】

26.1%は、トップの地位に立てる強者の最低条件となります。26.1%をシェアすれば1位にはなるものの1位でも2位とは僅差となるなど、その地位は不安定なものになってしまいます。

1位とはいえ、いつ逆転されてもおかしくない状況では強者の戦略は取れません。そのため26.1%はギリギリの数値と捉えられます。

【上位目標値19.3%】

19.3%を確保すると多くの場合上位3位以内には入れます。しかしどれも同程度のため弱者の中の強者という立場です。

この数値は、弱者が当面の間、目標とする数値とされるものになります。20%確保に近づけば、1位がすぐ目の前まで見えてきている状況なので1位獲得するための戦略に切り替えられます。

【影響目標値10.9%】

10.9%は、「10%足がかり」と言われます。10.9%を確保すれば市場全体に影響を与える存在となります。市場参入時の目安となる数値で、10%を超えると本格的な競争に突入することになります。

【存在目標値6.8%】

6.8%は、競合相手に存在を認められる立場になります。しかし市場に影響を与える力がないため本格的な競争には巻き込まれません。

この数値の段階では、他社を気にすることよりも自社製品のセールスに必死に取り組むとよいでしょう。新発売から年月が経っても7%を超えないようなら先がありません。撤退の判断基準にも使われます。

【拠点目標値2.8%】

2.8%は、存在価値がないに等しい立場です。この数値は市場参入の際、参入できたか・できなかったかを判断する数値となります。3%から7%から10%が市場参入の中間目標数値になります。

10%を超えると本格的なシェア争いに突入していきます。2.8%以下となれば、ランチェスター戦略を行っても生存は厳しい立場です。

ランチェスター戦略の3つのルール

ランチェスター戦略を行う上で、守るべきグランドルールがあります。

それぞれ見ていきましょう。

【1点集中主義】

攻撃目標を1つに絞ることで、目標達成まで集中的に攻撃し続けるという考え方です。

例として、勝つことのできる商品やサービス、地域、顧客を設定、経営資源を集中して投入します。要素を分散せず、集中することで競合相手に負けない状況を作り出します。

しかし、1つの市場に継続的に集中する状況は非現実的と言えます。

【足下(そっか)の敵攻撃の原則】

市場シェアで成果を出したい場合に自社の1ランク下の競合他社(足元の敵)を攻撃(売上を奪う)するという考え方です。

理由は自社よりも強い敵と戦って体力を失うよりも、勝ちやすい敵の方が勝ち目があるためです。1ランク下の敵を倒せば自社は伸び、敵は下がるため差は倍もつきます。

【No.1主義】

ランチェスター戦略の結論は、No.1になることです。その上2位を圧倒的に引き離した1位で、それ以下は2位であっても弱者という考え方です。その際のNo.1は総合力ではなく、ある市場においての1位となります。

史上において一位の明確な定義は「2社間競合、単品の客内シェアであれば1位と2位との間に3倍の差」「それ以外は、約1.7倍の差を2位に対して付けた1位」になります。

ランチェスター戦略とはまとめ

以上ランチェスター戦略について解説しました。

強者と弱者を正確に理解し、自社の立ち位置・段階・目標達成までの道のり様々な情報をまとめ市場1位を目指していきましょう。

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