事業再構築補助金と持続化補助金は、どちらも日本政府が提供する中小企業支援のための補助金ですが、目的や対象、使い方に違いがあります。以下に、これらの違いを具体的に説明します。

（以下の情報は常に変更がありますのでご自身の責任で最新の公募要領で確認してください）

事業再構築補助金

目的：

• 事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した企業が、新たな事業に取り組むための支援を目的としています。これは、既存のビジネスモデルを大幅に変更し、新しい分野に進出するための費用をサポートするものです。

対象：

• 主に中小企業や小規模事業者が対象ですが、大企業も一部対象となります。
• 新しい事業に取り組む企業が対象です。例えば、新製品の開発、新たなサービスの提供、新市場への進出など。

使い方：

• 新たな事業に必要な設備投資、システム構築、マーケティング費用などに使用できます。
• 具体的には、新しい機械の購入、新店舗の開設、ITシステムの導入など。

小規模事業者持続化補助金

目的：

• 持続化補助金は、小規模事業者が経営の持続・発展を図るための支援を目的としています。これは、現在の事業をより効率的に運営し、売上や利益を増やすための費用をサポートするものです。

対象：

• 小規模事業者（商工会議所の定義に基づく小規模企業）が主な対象です。
• 既存の事業を強化するための取り組みを行う企業が対象です。例えば、販売促進、新規顧客の獲得、業務効率化など。

使い方：

• 既存事業の改善や強化に必要な費用に使用できます。
• 具体的には、広告宣伝費、ホームページの改良、店舗の改装、業務効率化のための機器購入など。

具体例で比較

1. カフェ経営者の場合：
   • 事業再構築補助金：コロナの影響で売上が減少し、新たにオンライン販売を開始するための設備投資（新しい厨房機器や配送システムの導入）を行いたい。
   • 持続化補助金：現在の店舗の売上を増やすために、広告を出したり、店内を改装してお客さんを呼び込みたい。
2. 製造業者の場合：
   • 事業再構築補助金：売上が減少したため、新しい製品ラインを立ち上げて新市場に進出するための設備を購入したい。
   • 持続化補助金：既存の製品をもっと効率的に製造するために、新しい機械を導入したり、従業員の教育を行いたい。

選び方

• 事業再構築補助金は、現状のビジネスモデルを大きく変えて新しい挑戦をする企業に向いています。
• 持続化補助金は、現状のビジネスをさらに強化し、売上や利益を増やすための活動を支援する企業に向いています。

どちらの補助金が適しているかは、あなたの事業の状況や目指す方向性によります。具体的な計画や目標を明確にし、それに合った補助金を申請すると良いでしょう。

もう１点事業再構築補助金と持続化補助金は、補助金額に大きな違いがあります。具体的な金額の違いをわかりやすく説明します。

（以下の情報は常に変更がありますのでご自身の責任で最新の公募要領で確認してください）

事業再構築補助金

補助金額：

• 通常枠：100万円～6,000万円（最大8,000万円までの場合もあり）。
• グローバルV字回復枠：最大1億円。
• 緊急事態宣言特別枠：100万円～1,500万円。
• 卒業枠：最大1億円。
• グリーン成長枠：最大1.5億円。

補助率：

• 中小企業の場合：補助対象経費の3分の2（67%）。
• 中堅企業の場合：補助対象経費の1/2（50%）。

小規模事業者持続化補助金

補助金額：

• 一般型：最大50万円。
• 低感染リスク型ビジネス枠：最大100万円。
• コロナ特別対応型（過去の特別対応）：最大100万円。
• 地域・企業共生型ビジネス枠：最大100万円。

補助率：

• 通常：補助対象経費の2/3（67%）。
• 一部の場合：補助対象経費の3/4（75%）

具体例で比較

1. カフェ経営者の場合：
   • 事業再構築補助金：オンライン販売を開始するために新しい厨房機器や配送システムの導入を行うため、3,000万円の設備投資を計画している場合、そのうち最大2,000万円（3分の2）が補助される可能性があります。
   • 持続化補助金：店舗の売上を増やすために広告宣伝費や店舗の改装費に100万円を使用する場合、そのうち最大50万円が補助されます。
2. 製造業者の場合：
   • 事業再構築補助金：新しい製品ラインを立ち上げるために8,000万円の設備投資を計画している場合、そのうち最大5,333万円（3分の2）が補助される可能性があります。
   • 持続化補助金：既存の製品を効率的に製造するために新しい機械を購入するために150万円を使用する場合、そのうち最大50万円が補助されます。

補助金額のまとめ

• 事業再構築補助金は、大規模な事業転換や新規事業への進出を支援するため、補助金額が非常に大きく、数百万円から数億円に達することがあります。
• 持続化補助金は、既存事業の改善や強化を目的としているため、補助金額は比較的小さく、最大で50万円から100万円程度です。

選び方

• 大規模な投資や新規事業への進出を計画している場合：事業再構築補助金が適しています。
• 現行事業の改善や効率化を目指している場合：持続化補助金が適しています。