Web DD(Webデューデリジェンス)とは、買収対象の事業について、サイトの集客や検索順位、権利関係などを調べることです。決算書では見えないリスクを確認できます。この記事では項目と注意点を説明します。
Web DDとは
Web DDとは、M&Aの前に対象事業のWeb上の資産と集客の実態を調べる調査です。財務・法務・税務の調査と同じく買い手の判断材料になり、売上がWebに支えられている事業では特に重要です。
ECサイトやWebメディアに限りません。問い合わせの多くが検索から届いている会社なら、製造業でも建設業でも調べる意味があります。
Web DDで確認する8項目
| 項目 | 確認するもの | 見ておきたい点 |
|---|---|---|
| アクセス解析 | GA4 | 流入経路の偏り、売上や問い合わせとのつながり |
| 検索データ | Search Console | 指名検索の割合、上位キーワードへの依存 |
| 検索エンジンのリスク | 手動対策の履歴、ドメインの来歴 | ポリシー違反、中古ドメインの利用 |
| 広告 | 広告アカウント | 費用対効果、止めたときの影響 |
| 顧客データ | CRM、メールリスト | 有効な件数、利用目的、承継の可否 |
| 技術 | CMS、サーバー、ソースコード | 更新の状況、属人的な開発、移管のしやすさ |
| 権利 | ドメイン名義、著作権、商標、画像 | 外注した制作物の権利、利用許諾 |
| 運営体制 | 担当者、外注先、手順書 | キーパーソンが抜けたときの影響 |
見落としやすい3つのリスク
検索エンジンのポリシー違反
Googleは「サイトの評判の不正使用」や「期限切れドメインの不正使用」をスパムポリシーの対象としています。順位が高くても、手法によっては評価を失うリスクがあります。
規約上、譲渡できない資産
SNSアカウントは、規約で売買や譲渡を禁じているサービスがあります。ECモールや決済サービスも、承継の手続きが必要な場合があります。何が譲渡対象に入るかを確認してください。
データの改ざんと切り取り
画面の写しだけで判断せず、閲覧権限をもらって実データを確認しましょう。期間を変えて見ると、広告で一時的に増やした数字や、アップデート後の下落が見えることがあります。
仲介者はWeb DDをしてくれるのか
中小M&Aガイドラインでは、仲介者はデューデリジェンスを自ら実施しないとされています。中立性を保つためです。買い手が調査を望むなら、自身で専門家を選任します。
当社はこの整理に沿って、仲介案件の調査を「Webアセスメント」と呼び、案件資料とリスク開示のために行っています。当社が仲介していない案件では、買い手やM&A会社のご依頼でWeb領域の調査をお受けします。詳しくはWebアセスメントをご覧ください。
調査の結果を価格と契約に反映する
Web DDは、問題を見つけて終わりではありません。結果は次のように使います。
- 依存度の高い集客経路を踏まえて、利益の見通しを修正する
- 権利関係の整理を、クロージングの条件に入れる
- 表明保証の内容を、調査の結果に合わせて検討する
- 買収後に最初に手を付ける改善点を決める
よくある質問
Web DDにはどのくらい時間がかかりますか。
対象の規模と権限が付与される時期によって変わります。範囲を決める段階で見通しを確認してください。
売り手が閲覧権限を渡してくれない場合はどうしますか。
秘密保持契約を結んだうえで、閲覧のみの権限をお願いするのが一般的です。パスワードの共有は避けましょう。応じてもらえない場合は、確認できなかった事実そのものを判断材料にします。
売り手が事前に調べることもできますか。
できます。売却前に自社の状況を把握すると、資料の準備や説明がしやすくなります。
まとめ
Web DD(Webデューデリジェンス)は、買収対象のサイトや集客の実態を調べることです。確認する8項目、見落としやすいリスク、仲介者との関係を説明します。
自社に当てはめると判断に迷う点も多いはずです。当社の無料 簡易企業評価なら、決算書の数字から価値の目安を確かめられます。


