M&Aの手数料は、料率だけ見ても比較できません。基準が譲渡額か移動総資産か、最低手数料がいくらかで負担が変わるからです。この記事では、手数料の種類と計算例、確認する点を説明します。
M&A手数料の種類
手数料は、発生するタイミングで4つに分けて整理すると比較しやすくなります。どの費用がかかるかは会社によって異なります。
| 種類 | 発生する時期 | 確認すること |
|---|---|---|
| 着手金 | 契約時 | 不成立でも返金されないか |
| 月額報酬 | 契約期間中 | 長引いた場合の総額 |
| 中間金 | 基本合意時など | 不成立のときの扱い、成功報酬からの控除 |
| 成功報酬 | 最終契約時やクロージング時 | 料率、基準額、最低手数料 |
レーマン方式の計算
レーマン方式は、基準額を段階に分け、段階ごとの料率を掛けて合計する計算方法です。金額が大きいほど、上の段階の料率は低くなります。
| 基準額の段階 | 料率の例 |
|---|---|
| 5億円以下の部分 | 5% |
| 5億円超10億円以下の部分 | 4% |
| 10億円超50億円以下の部分 | 3% |
| 50億円超100億円以下の部分 | 2% |
| 100億円超の部分 | 1% |
一般的に紹介される例です。実際の料率は会社によって異なります。
たとえば基準額が8億円なら、5億円×5%+3億円×4%=3,700万円です。
報酬基準額で金額が変わる
料率が同じでも、基準額が違えば手数料は変わります。次の数字は説明用の仮の例です。
- 株式の譲渡額:1億円
- 有利子負債:2億円
- 譲渡額を基準、料率5%の場合:500万円
- 移動総資産(譲渡額+負債)を基準、料率5%の場合:1,500万円
借入の多い会社ほど差が開くため、「何に対する5%か」を必ず確認しましょう。
最低手数料を確認する
小規模な案件では、料率よりも最低手数料が実際の負担を決めることがあります。最低手数料が500万円なら、譲渡額1,000万円の案件で実質の負担は50%です。
買い手も同じです。相手方の最低手数料が高いと、買い手が支払える譲渡対価に影響する場合があります。そのためガイドラインは、仲介者に相手方の手数料の説明を求めています。
契約前の確認リスト
- 着手金、月額、中間金の有無と、成功報酬からの控除
- 報酬基準額の定義と計算例
- 最低手数料の金額
- 支払時期(最終契約時か、入金後か)
- 相手方の手数料
- テール条項の期間と対象
- 手数料以外の費用
当社の手数料は料金・手数料のページでご案内します。
よくある質問
完全成功報酬なら安心ですか。
初期費用の負担は軽くなりますが、総額が低いとは限りません。最低手数料と基準額を確認してください。
手数料に補助金は使えますか。
事業承継・M&A補助金の専門家活用枠で、FA・仲介費用が対象となる場合があります。登録業者に限られるなどの条件があります。
手数料の交渉はできますか。
説明に納得できない場合、交渉を申し入れることはできます。ガイドラインは支援機関に誠実な対応の検討を求めています。
まとめ
M&Aの手数料は、料率よりも何を基準に計算するかで大きく変わります。着手金、成功報酬、最低手数料、レーマン方式の計算例と、契約前に確認する点を説明します。
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