中小M&Aガイドラインは、中小企業庁が定めたM&Aの指針です。第3版は2024年8月に公表され、手数料の説明や広告・営業の規律が具体化されました。この記事では、経営者が依頼前に確認したい6つの点を説明します。
中小M&Aガイドラインとは
中小M&Aガイドラインは、中小企業のM&Aを適切に進めるための手引きと、支援機関が守るべき基本事項をまとめた指針です。2020年3月に策定され、2023年9月に第2版、2024年8月に第3版が公表されました。
M&A支援機関登録制度では、登録機関に遵守の宣言が求められています。依頼先の遵守宣言を読むと、その会社の姿勢を確かめられます。
依頼前に確認したい6つの点
| 確認する点 | ガイドラインに沿った内容 |
|---|---|
| 手数料 | 料率、報酬基準額、最低手数料、発生時期を書面で説明。仲介者は相手方の手数料も説明 |
| 専任条項 | 対象範囲を限定。契約期間は最長でも6か月〜1年以内が目安。任意の時点で中途解約できる旨を明記 |
| テール条項 | 期間は最長でも2年〜3年以内が目安。社名を開示して紹介された相手に対象を限定 |
| セカンド・オピニオン | 合理的な理由がなければ、他の支援機関の意見を求めることを許容 |
| 評価とDD | 仲介者は確定的な評価やデューデリジェンスを自ら実施しない |
| 経営者保証 | 意向を丁寧に聴き取り、専門家や金融機関への相談も選択肢であることを説明 |
テール条項とは、契約終了後の一定期間に、紹介された相手と成約した場合に手数料が発生する取り決めです。
手数料で確認すること
同じ「成功報酬5%」でも、基準が譲渡額か、負債も含めた移動総資産かで金額は変わります。最低手数料が高いと、小さな案件では実質の料率が大きくなります。計算の仕組みはM&A手数料の解説をご覧ください。
広告・営業で注意すること
第3版は、禁止される広告・営業を具体的に示しています。次のような営業を受けたら注意してください。
- 会社名や勧誘の目的を告げない
- 買い手がいると偽る、または確認していないのに誤認させる
- 高すぎる評価額を示して契約を促す
- 考える時間を与えず、即時の判断を迫る
今後の営業を断る意思を伝えた場合、支援機関はただちに停止することになっています。
トラブルにつながりやすい最終契約の論点
第3版は、最終契約後の争いに発展しやすい事項にも注意を促しています。代表例は、経営者保証の解除、表明保証の範囲、クロージング後の支払い、売り手の貸付金の整理です。
これらの条項を提案する場合、支援機関にはリスクの具体的な説明が求められます。納得できない点は、弁護士に相談してから締結してください。
支援機関に聞いてみたい質問
- 遵守宣言はどこで読めますか
- 相手方の手数料はいくらですか
- 解約はいつでもできますか。そのときの費用は
- 買い手の調査は、何をどこまで行いますか
- 担当者の資格、経験年数、成約実績を教えてください
よくある質問
中小M&Aガイドラインに法的な強制力はありますか。
ガイドラインは法律ではありません。ただし、M&A支援機関登録制度では遵守の宣言が求められ、補助金の要件にも関わります。
第3版の最新の内容はどこで読めますか。
中小企業庁のウェブサイトで公開されています。改訂されることがあるため、最新版をご確認ください。
ガイドラインに反する対応を受けたらどうすればよいですか。
支援機関に説明を求めたうえで、弁護士や事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的窓口にご相談ください。
まとめ
中小M&Aガイドライン第3版のうち、M&A支援機関に依頼する前に確認したい手数料、専任条項、テール条項、利益相反、評価、経営者保証を、経営者の立場で整理しました。
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