ドメインや検索からの集客、顧客リストは、貸借対照表にほとんど載らないのに、事業の価値を左右します。ただし、証明できなければ評価されません。この記事では、売却前に整えておきたいことを説明します。
決算書に載らないWeb資産とは
Web資産とは、Web上で売上や信用を生む資産のうち、決算書では金額が見えにくいものです。自社で育てた資産の多くは、費用として処理されるため貸借対照表に載りません。
| 資産 | 買い手にとっての意味 | 証明するもの |
|---|---|---|
| 検索からの集客 | 広告費をかけずに見込み客が来る | Search Console、GA4 |
| 指名検索 | 会社や商品に知名度がある | Search Console |
| 顧客リスト・会員 | 再購入や新商品の販路になる | CRMの有効件数、継続率 |
| ドメイン・コンテンツ | 長年の運用で蓄積された信用 | 名義、運用履歴、権利関係 |
| 広告の実績データ | 効果の出る訴求がわかっている | 広告アカウント |
売却前に整える5つのこと
- 名義を会社に揃える:ドメイン、サーバー、広告アカウントが社員や制作会社の名義のままになっていないか確認します
- データを残す:GA4とSearch Consoleを正しく設定し、売上や問い合わせとつなげます。過去のデータがあるほど説明しやすくなります
- 権利を確認する:外注した文章、画像、プログラムの権利が自社にあるか、契約書で確かめます
- 顧客データの利用目的を確認する:プライバシーポリシーの内容と取得の経緯を整理します
- 運営を手順にする:更新、問い合わせ対応、広告運用を、担当者が変わっても続けられるようにします
評価を下げやすいポイント
Web資産は、依存が大きいほどリスクとして見られます。次の点は買い手が慎重に確認します。
- 売上の大半が、特定の検索キーワードや1つの広告媒体に依存している
- 社長個人のSNSやブログが集客の中心になっている
- Googleのアップデートのたびに流入が大きく上下している
- 中古ドメインや第三者のコンテンツに依存している
- 顧客データが古く、有効な件数がわからない
顧客データの引き継ぎで注意すること
個人情報保護法では、事業の承継に伴う個人データの提供は第三者提供に当たらないとされています(第27条第5項第2号)。ただし、承継後も承継前の利用目的の範囲で扱う必要があります。
名簿だけを売買する形はこの考え方に当てはまりません。必ず事業譲渡の一部として構成し、詳細は弁護士にご確認ください。
Web資産の価値を確かめるには
まずGA4とSearch Consoleで、過去1〜2年の検索流入と問い合わせの推移を見てください。数字が読めれば、買い手への説明の準備は半分終わっています。
当社の無料 簡易企業評価では財務の目安を計算し、Webアセスメント(Web DD)でWeb資産を詳しく調べます。
よくある質問
Webサイトがあるだけで評価は上がりますか。
上がるとは限りません。問い合わせや売上につながっていることをデータで示せるかどうかが大切です。
制作会社の名義のドメインは譲渡できますか。
名義を自社に移す手続きが必要です。契約や制作会社の協力が必要な場合があるため、売却を決める前に確認すると安心です。
GA4のデータが少ないのですが、今からでも間に合いますか。
今から蓄積を始める価値はあります。Search Consoleの過去データや売上台帳など、他の資料で補える場合もあります。
まとめ
ドメイン、検索からの集客、顧客リストなどのWeb資産は決算書に載りません。買い手に価値を伝えるために売却前に整えておきたい5つのことを説明します。
自社に当てはめると判断に迷う点も多いはずです。当社の無料 簡易企業評価なら、決算書の数字から価値の目安を確かめられます。
この記事は一般的な情報の提供を目的としています。個別の税務や法務の判断は、税理士や弁護士にご確認ください。


